はじめに|県北地域で増える「建設業の事業承継」問題
茨城県県北地域(常陸太田市・日立市・高萩市・北茨城市・常陸大宮市・大子町など)では、建設業を営む経営者の高齢化が急速に進んでいます。長年地域のインフラを支えてきた一方で、「後継者が決まっていない」「相続が発生したが許可をどうすればよいかわからない」といった相談が増えています。
建設業許可は、原則として人に付随するため、そのまま自動的に引き継がれるものではありません。しかし、建設業法の改正により創設された「建設業許可の承継の認可」制度を利用すれば、一定の要件のもとで許可を引き継ぐことが可能です。
本記事では、高齢化社会を背景に重要性が高まっている「建設業許可の承継の認可」について、県北地域で建設業を営む方向けに、わかりやすく解説します。
建設業許可の承継の認可とは
建設業許可の承継の認可とは、相続・事業譲渡・合併・会社分割などにより、建設業者としての地位を引き継ぐ場合に、事前(または一定期間内)に行政庁の認可を受けることで、建設業許可をそのまま承継できる制度です(建設業法第17条の2)。
従来は、経営者が亡くなったり、法人を譲渡した場合には、廃業届を出したうえで新たに建設業許可を取り直す必要があり、非常に時間と手間がかかるものでした。
承継の認可制度は、こうした問題を解消し、地域建設業の円滑な世代交代を支援する目的で導入されています。
承継の認可が必要となる主なケース
1.相続による承継
県北地域では、個人事業主として建設業を営んでいた方が高齢になり、配偶者や子が事業を引き継ぐケースが多く見られます。この場合、相続人が建設業を継続するためには承継の認可が必要です。
特に注意すべき点は、死亡後30日以内に申請する必要があるという期限です。期限を過ぎると、承継の認可を受けられず、新規許可が必要になる場合があります。
2.事業譲渡による承継
後継者不在の場合でも、第三者へ事業を譲渡することで建設業を存続させるケースがあります。個人から法人(いわゆる法人成り)、法人から法人への譲渡も対象となります。
この場合、事業譲渡契約書の内容が非常に重要で、建設業としての事業全体が承継されていることを明確にしておく必要があります。
3.合併・会社分割による承継
法人経営においては、合併や会社分割により建設業部門を引き継ぐこともあります。これらの場合も、承継の認可を受けることで、建設業許可を継続して使用できます。
承継の認可を受けるメリット
建設業許可の承継の認可を受ける最大のメリットは、許可番号や許可年月日を引き継げる点です。これは、長年の実績を示す重要な信用要素となります。
また、以下のような利点があります。
- 工事を中断せずに事業を継続できる
- 元請業者・金融機関からの信用を維持できる
- 経営事項審査や入札参加資格への影響を最小限に抑えられる
- 再申請の手数料(90,000円)がかからない
高齢化が進む県北地域では、こうしたメリットは非常に大きいといえます。
承継の認可を受けるための要件
承継人(引き継ぐ側)は、新規で建設業許可を取得する場合と同様の要件を満たす必要があります。
主な要件
- 経営業務管理責任者がいること
- 専任技術者を配置できること
- 財産的基礎があること
- 欠格要件に該当しないこと
高齢の経営者が引退する場合、経営業務管理責任者や専任技術者の要件を誰が満たすのかを事前に整理しておくことが重要です。
申請のタイミングと注意点
原則として、承継の効力が発生する前に申請し、認可を受ける必要があります。
相続の場合は例外として、死亡後30日以内に申請することで、認可が下りるまでの間も引き続き営業が可能です。
県北地域では、「代表者変更だけで済むと思っていた」「認可が必要だと知らなかった」という理由で、無許可状態に陥るケースも少なくありません。早めの相談が重要です。
高齢化社会における建設業許可承継の重要性
地域の建設業者が廃業してしまうと、公共工事やインフラ維持に大きな影響が出ます。高齢化が進む県北地域においては、建設業許可の承継は、単なる手続きではなく、地域を守るための重要な制度といえます。
後継者がいる場合も、いない場合も、早い段階から承継を見据えた準備を行うことが、事業と地域を守る第一歩です。
行政書士に相談するメリット
建設業許可の承継の認可は、通常の許可申請よりも複雑になる場合がほとんどです。相続・事業譲渡・会社法手続きと密接に関係するため、専門家の関与が不可欠です。
行政書士に依頼することで、
- 承継スケジュールの整理(事前相談~書類作成~申請)
- 必要書類の正確な作成
- 都道府県ごとの運用に応じた対応
といったサポートを受けることができます。
まとめ|県北で建設業を続けるために
建設業許可は、原則としてそのまま引き継ぐことはできません。しかし、承継の認可制度を正しく利用すれば、事業と信用を次世代へ引き継ぐことが可能です。
高齢化が進む県北地域だからこそ、早めの準備と正しい知識が重要です。建設業許可の承継でお悩みの方は、専門家へ相談することをおすすめします。
建設業の認可は、事前準備がすべてです。
常陸太田市・県北地域で許可取得をお考えの方は、お気軽にご相談ください。
✉お問い合わせはこちら → お問い合わせ – 古川行政書士事務所
お急ぎの方はこちらまでお電話ください: 050-1721-2725

